妖怪名
前鬼・後鬼(ぜんき・ごき)
主な特徴
役小角(役行者)に仕える一対の夫婦の鬼。
夫である前鬼は赤鬼の姿で表され、手に鉄斧を持ち、主君の前方を進んで道を切り開く。
妻である後鬼は青鬼の姿で表され、霊力のある水を湛えた理水(りすい)の器と、種を入れた葛籠(つづら)を背負い、主君の後方を従う。
一対でありながら静と動、物理と霊力の対比をなす。
出現場所
山
関連都道府県
大阪府, 奈良県, 和歌山県
能力・行動
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前鬼の怪力と開路術
巨大な鉄斧を振るい、いかなる巨岩や大木も一撃で粉砕して道を切り開く。 -
後鬼の霊水と豊穣術
理水の器から湧き出る霊水により病を癒やし、背負った種で山野に豊かな実りをもたらす。 -
強力な結界・五行術
役小角から授かった法力により、邪気を祓う強固な結界を張る。
もともとは生駒山地で人々を苦しめていた五通鬼(ごつうき)と呼ばれる凶悪な鬼の夫婦であったが、役小角が彼らの最愛の子供を隠すことで親の悲しみを悟らせ、改心させた。
以後は「義覚(ぎかく=前鬼)」「義賢(ぎけん=後鬼)」の名を与えられ、絶対的な忠誠を誓う式神となった。
危険度ランク
B(警戒すべき)
物理的危害
高(致命的)
前鬼の鉄斧による一撃は地を割り、いかなる防具も貫通する。怒りを買った場合、物理的な生存は極めて困難である。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
密教や修験道の強力な法力を帯びているため、悪意を持つ者が近づくとその威圧感と神聖な霊気により、精神を激しく圧倒される。
遭遇確率
★☆☆☆☆
現代において通常の登山道で遭遇することはほぼない。大峰山などの深い修験の霊場、またはその血脈を継ぐ地においてのみ気配を感じる場合がある。
伝承・歴史
修験道の開祖である役小角の伝承(『日本現報善悪霊異記』や『今昔物語集』等)に深く刻まれている。
彼らは役小角の足となり手となり、大峰山の開山を支えた。役小角が昇天した際、その供をしたとも、あるいは現世に残されて吉野の天川や下北山村の地に息づき、その子孫が宿坊を守り続けているとも伝えられる。
遭遇したらどうすればいい?
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役小角の法名を唱える
彼らの絶対的な主君である「役行者(えんのぎょうじゃ)」あるいは「神変大菩薩(じんべんだいぼさつ)」の名を唱えることで、敵意がないことを示す。 -
修験者の礼法を遵守する
山を荒らさず、信仰の場としての敬意を払う。真摯な登山者や修行者に対しては、むしろ守護をもたらす存在である。