
妖怪名
於菊虫(おきくむし)
主な特徴
於菊虫は、江戸時代の有名な怪談『播州皿屋敷』の亡霊・お菊が変化した姿とされる妖怪です。
白く痩せこけた女性の姿で現れ、顔や体の各所に虫のような目や手足が生えており、不気味な姿に変貌しています。
人間の怨念が強すぎて肉体が朽ち果てぬまま異形化した存在とされ、哀しみと怒りの混濁した声で皿の数を数え続けます。
出現場所
墓地, 村・町, 家屋
関連都道府県
兵庫県
能力・行動
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怨霊転生
強い恨みにより死後も成仏できず、怨霊から妖怪へと変化した存在。 -
幻覚誘発
彼女の声を聞く者は、皿が割れる幻覚や過去の罪を幻視する。 -
精神侵蝕
夜中に耳元で「一枚…二枚…」と数えられ続けると発狂してしまう。 -
虫化能力
肉体の一部が虫に変わり、這い出して他者に取り憑くこともある。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
中(危険)
謎の高熱、全身のかゆみ、皮膚から小虫が出るなどの身体異常が起こる。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
長時間接触した者は精神が崩壊し、最終的には自ら命を絶つこともある。
遭遇確率
★★☆☆☆
廃屋、古井戸の近く、誰も使っていない皿の多い蔵などで稀に出現。
伝承・歴史
兵庫県・姫路城に仕えた侍女「お菊」が、主の家宝である皿を割ったとして理不尽に処刑された悲劇から生まれた怨霊が、後年「於菊虫」として語られるようになった。
最初は幽霊だったが、時代が下るにつれ、その怨念の強さが肉体に影響し「虫と化した妖怪」へと変質したとされる。
現代文化での登場
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アニメ『地獄先生ぬ~べ~』にて、類似したキャラが登場
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ゲーム『百鬼夜行絵巻』では「怨念蟲 おきく」としてボス敵として出現
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妖怪図鑑・都市伝説系のYouTubeでたびたび語られる人気の存在
遭遇したらどうすればいい?
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古井戸に近づかない
お菊が殺されたとされる井戸は最も危険な場所。 -
皿を丁寧に扱う
怨念の根源が「皿」であるため、皿を粗末に扱うと標的になることがある。 -
数を数えられても返事をしない
声に応じると呪いが始まるとされる。 -
御札・数珠を身につける
除霊系の霊的アイテムが一部効くとされる。