毛倡妓(けじょうろう)

毛倡妓(けじょうろう)擬人化イラスト

妖怪名

毛倡妓(けじょうろう)

主な特徴

美しい和装を纏うが、全身および顔面全体が重厚で艶やかな長い黒髪に隙間なく覆われており、目・鼻・口といった顔の造作を確認することができない異様な姿。

出現場所

村・町

関連都道府県

全国

能力・行動

  • 伸縮・自在な髪の毛
    全身を覆う黒髪を自在に動かし、相手を威惑または拘束する。

  • 幻惑・人違いの誘発
    生前の知り合いや魅力的な女性に見せかけて人を呼び寄せ、至近距離で異形を見せつける。

  • 執着の怨念放射
    遊女たちの無念や嫉妬、情念が毛髪に宿り、周囲の空間に強い妖気を漂わせる。

鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』等に描かれる妖怪。「毛倡妓(けじょうろう)」の表記が正記であり、吉原などの遊郭で働く女郎(倡妓)の執念や情念が髪の毛に宿り妖怪化したとされる。通行人が知人だと思って声をかけると振り返るが、顔一面が黒髪で覆われており見る者を驚愕させる。

危険度ランク

C(ほぼ無害)

物理的危害

低(軽傷)

直接的に危害を加えて命を奪うような凶暴性は少なく、基本的には驚かせることや精神的な揺さ振りを目的とする。

精神的影響

中(恐怖・呪い)

親しい知人だと思って近づいた相手の顔が存在せず、黒髪の塊であったという怪異を直視することによる恐怖心と強い不気味さを与える。

遭遇確率

★☆☆☆☆

伝承・歴史

江戸時代の妖怪画集に散見される妖怪。

遊郭という特殊な環境下で命を落とした女郎(倡妓)たちの執念や、客に対する深すぎる情念が髪の毛へと宿り怪異を為すと考えられた。

ある者が顔見知りの女だと思って後ろから声をかけたところ、振り返った顔が全て髪の毛で覆われていたという伝承が残る。

現代文化での登場

妖怪を題材とした漫画・アニメ作品(『ゲゲゲの鬼太郎』や『ぬらりひょんの孫』等)において、髪の毛を武器や情報収集手段として扱う妖艶な女性妖怪としてアレンジされて登場する。

遭遇したらどうすればいい?

  • 呼びかけへの無視
    夜間の辻や花街の路地で怪しい影を見かけても安易に声をかけない。

  • 供養と髪の浄化
    遊女たちの情念を鎮めるための仏事や供養を行う。 人々の情念や情愛が怪異の源となっているため、怪しい気配に対して深く関わらずスルーすること、あるいはその無念を弔うことが最大の防御とされる。