犬神(いぬがみ)

犬神(いぬがみ)擬人化イラスト

妖怪名

犬神(いぬがみ)

主な特徴

犬の霊を憑依・使役する呪術的存在であり、特定の家系(「犬神筋」)が代々祀っていることが多い。

姿は見えずとも気配や現象として現れ、使役者の命に従い他者に憑いたり、力を貸すとされる。

出現場所

墓地, 村・町, 家屋

関連都道府県

岡山県, 愛媛県, 高知県, 大分県

能力・行動

  • 人に取り憑く(犬神憑き)
     嫉妬や恨みに反応して、人の心身を蝕む。口を開けない・異様な食欲などが憑かれた際の兆候。

  • 病気や不幸をもたらす
     呪詛として放たれた犬神は、対象に病・事故・家族崩壊などをもたらす。

  • 家を守る存在にもなる
     一方で、自分の家系の守護霊として繁栄や幸運をもたらす例もある。

  • 犬の姿で見えることもある
     黒く小さな犬、目が赤く輝く、二足歩行で現れるなど、姿の伝承は地域により多様。

危険度ランク

A(非常に危険)

物理的危害

中(危険)

憑いた人に異常行動を起こさせ、周囲に危害を加える可能性あり。

精神的影響

高(精神崩壊・死)

犬神憑きにより人格の変化や精神異常をきたす例が多数伝わる。

遭遇確率

★★☆☆☆

現在でも四国地方などでは犬神憑きや犬神筋の伝承が根強く残る。日常での遭遇は稀だが、差別・偏見が今なお語られる。

伝承・歴史

『狗神』『憑き物筋』として中世以降の呪術文化に強く結びつく。

犬の首を落とし、念を込めて霊体を造る「犬神作り」など、極めて呪術色の強い方法が伝えられている。

家系に憑くと数代にわたって離れないため、恐れられ、時には「差別対象」として語られることも。

現代文化での登場

  • 漫画・アニメ
    『犬神』『地獄先生ぬ〜べ〜』などで頻繁に登場
  • ゲーム
    『妖怪ウォッチ』『陰陽師』『百鬼異聞録』などでは使役される霊獣・式神として
  • 擬人化では「忠実な使い魔」「影の守護者」「可憐で妖しい霊獣」など、役割に応じて幅広く表現

遭遇したらどうすればいい?

  1. 軽々しく呪詛を疑わない
     犬神筋とされた家を差別する行為は、逆に災いを呼ぶとされる。

  2. 祈祷や霊能者に相談する
     犬神憑きを祓うには、専門の祈祷や犬神筋本人の協力が必要とされる。

  3. 犬神を祀っている神社を訪れる
     和解や守護を願うことで、不幸を防ぐ例も伝わる(例:稲荷神社に祀られていることがある)。