累(かさね)

累(かさね)擬人化イラスト

妖怪名

累(かさね)

主な特徴

生前は、不義の密通によって生まれた因果により、容姿が非常に醜く、片足が不自由であったとされる。

怨霊と化した後は、その醜悪な容貌のまま現れることもあるが、最も特徴的なのは、憑依した相手(主に後妻の娘など、自身に縁のある若い女性)の肉体を内側から蝕み、その顔貌を自身の生前の醜い姿へと変貌させる点である。

直接的な骸骨の姿ではなく、生身の人間が苦悶と共に醜く歪んでいく様こそが累の象徴である。

出現場所

村・町, 家屋

関連都道府県

茨城県

能力・行動

  • 憑依と肉体変貌
    自身を殺害した夫が後に娶った後妻の娘などに憑依し、
    その美しい顔を自身の生前の醜い顔へと変貌させ、苦しめる。

  • 怨念の吐露
    憑依した相手の口を借りて、
    自らが殺害された凄惨な経緯や、夫への深い恨みを語る。

  • 因縁の具現化
    単なる個人の怨霊にとどまらず、
    不義理や殺生といった「因果応報」の理を、その身と周囲にもたらす災いとして具現化させる。

  • 仏力による解脱
    徳の高い僧侶(祐天和尚など)による法力や読経、供養によってのみ怨念が鎮められ、成仏、解脱に至る。

危険度ランク

A(非常に危険)

物理的危害

高(致命的)

憑依した相手の肉体を著しく損ない、死に至らしめる。また、その怨念は周囲の者にも災い(病や不審死など)をもたらす強力なものである。

精神的影響

高(精神崩壊・死)

憑依された者の容貌が醜く変貌していく様や、その口から語られる凄惨な恨みの言葉は、目撃した者に計り知れない恐怖と精神的トラウマを与える。

遭遇確率

★☆☆☆☆

伝承・歴史

江戸時代、下総国岡田郡羽生村(現在の茨城県常総市羽生地区)で起きたとされる実話を基にした怪談。

不義理な夫・与右衛門によって川に突き落とされ殺害された醜い妻・累の怨念が、後妻の娘・菊に憑依し、名僧・祐天和尚によって解脱させられるまでの顛末を描く。

この物語は「累ヶ淵」として知られ、後に多くの浄瑠璃や歌舞伎、怪談噺(三遊亭圓朝の『真景累ヶ淵』など)の題材となり、日本の怨霊文化に深く刻まれた。

遭遇したらどうすればいい?

  • 名僧による供養
    徳の高い僧侶による読経や、適切な引導(解脱の教え)によって怨念を鎮める。

  • 因縁の解明と解消
    怨念の根源となる不義や殺害の事実を明らかにし、適切な弔いや謝罪、因縁を断ち切るための儀式を行う。 伝承においては、祐天和尚が累の殺害に使われた鎌を川から探し出し、供養したことで怨念が晴れたとされる。