
分類: 霊的妖怪
妖怪名
夜行さん(やぎょうさん)
主な特徴
白装束をまとった霊魂たちの行列「夜行列車(やぎょうれっしゃ)」を率いる存在。
地域によっては顔のない人影や異形の姿として語られる。
頭のない馬に乗って出現するという恐怖の伝承が徳島県で特に有名。
出現場所
墓地, 村・町, 家屋
関連都道府県
京都府, 奈良県, 和歌山県, 徳島県
能力・行動
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霊の行列を導く先導者
多数の死者の魂を連れて夜の村道や山道を進む。音もなく進むことが多いが、蹄の音だけが響く夜もある。 -
頭のない黒馬に騎乗
徳島県阿波地方では、「夜行さん」は首のない黒馬に乗って現れるとされ、その姿を見た者には祟りが及ぶという。 -
目撃者に霊障を与える
視認した者には、運気の低下・病・死などの霊的障害(霊障)が降りかかる可能性がある。 -
時折、姿を消して家の中に入り込む
障子の隙間や窓から覗いた者に取り憑くという説もある。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
低(軽傷)
急な転倒、発熱、衰弱などが家族や本人に現れる可能性。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
強烈な幻視や夢に出続ける後遺症。場合によっては精神崩壊や失語症になることも。
遭遇確率
★★☆☆☆
年に一度、特定の夜に現れる(旧暦による。地域によって異なる)。
伝承・歴史
阿波国を中心に伝わる死霊信仰のひとつ。
霊魂の道=霊道の概念と深く関わり、古代からの死者観が反映されている。
現代文化での登場
- 有名作品への登場は少ないが、「百鬼夜行の先導者」的存在として妖怪ファンの間で語られることがある。
遭遇したらどうすればいい?
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絶対に外を覗かない
霊道を通過する夜は、物音がしても障子や窓を開けてはならない。 -
戸を閉めて塩と柏手を用意する
霊避けの塩を戸口にまき、柏手(かしわで)を打つことで霊の通過を無害化できるとされる。 -
話しかけない・見つめない
夜行さんに気配を感じても無視するのが最善。注目した時点で目をつけられるとされる。