
妖怪名
うわん(うわん)
主な特徴
「うわん」という名前自体が、妖怪の発する突然の大声の擬音であり、姿を見た者はほとんどおらず、音だけで人間に干渉する妖怪。
人気のない屋敷や廃寺などで「うわん!」と叫び、驚かせて去っていく。
鳥山石燕の『画図百鬼夜行』にもその姿が描かれているが、詳細な説明は一切なく、謎多き存在とされる。
出現場所
神社・寺院, 墓地, 森・竹林
関連都道府県
全国
能力・行動
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声による精神攻撃
突然「うわん!」と大声で叫び、聞いた者に強烈な恐怖を与える。 -
姿を見せない干渉者
ほとんどの場合、音のみでの出現。姿を見たという記録は稀。 -
好奇心と悪戯心が強い
子供や旅人を驚かせることが目的で、深刻な悪意は持っていない。 -
音による存在証明
場所に強く縛られており、特定の建物や空間に宿ることが多い。
危険度ランク
C(ほぼ無害)
物理的危害
なし
直接的な危害を加える能力はないが、驚かせた拍子に怪我をする例はある。
精神的影響
低(気味が悪い)
突然の大声による驚愕と、不在の声の主への恐怖によって、数日間不安になることがある。
遭遇確率
★★★☆☆
特定の「曰く付きの空間」に長時間滞在した場合や、夜間に古い建物を訪れると高まる。
伝承・歴史
鳥山石燕による絵では、古寺のような建物に現れる「腕を大きく広げた鬼面のような存在」として描かれているが、正体や背景は全く説明されていない。
この“謎”そのものがうわんの最大の魅力とも言える。
江戸時代の子どもたちの間では「『うわん』って言ってくる化け物がいる」と噂になっていた。
現代文化での登場
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『妖怪ウォッチ』シリーズでは、擬音妖怪として登場
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『ぬ~べ~』や『ゲゲゲの鬼太郎』にも一部登場
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怪談朗読や都市伝説系の動画で「声だけの怪異」として扱われることも多い
遭遇したらどうすればいい?
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驚かないことが最大の防御
うわんは驚かせるのが目的。驚かないと興味を失って去る。 -
名前を呼ばない
「うわん」と声に出すことで、引き寄せることがあるとされる。 -
廃屋には一礼して入る
住処に入る際に礼儀を示すと、干渉を避けられることがある。 -
鈴や音の鳴る物を持つ
音で対抗することで、存在を遠ざけられるとされる。