
妖怪名
牛鬼(うしおに)
主な特徴
牛鬼は、牛のような巨大な頭部と、蜘蛛や昆虫のような多脚の身体を持つ異形の妖怪で、西日本沿岸を中心に各地で伝承されている。
毛むくじゃらで血走った目をしており、口からは毒気を放つとも言われる。
地方により姿や性質が異なり、狂暴な殺戮者として描かれる地域もあれば、神格化された存在として信仰される場合もある。
出現場所
川, 海, 村・町
関連都道府県
和歌山県, 島根県, 山口県, 愛媛県, 高知県
能力・行動
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毒気・瘴気の吐息
牛鬼は口から人の精神や生命力を蝕む「瘴気」を吐き出し、周囲の空気を腐らせる。 -
強靭な肉体
通常の武器では傷つかず、特に硬質な外殻と毛皮に守られている。 -
水中・陸上の自在な移動
海から村に上がって人々を襲うなど、水陸両用の高い機動性を持つ。 -
死体を喰らう
戦場や災害の後に現れ、死体を漁って貪るという描写もある。 -
地域神としての一面
高知県など一部地域では、祭礼で牛鬼を模した山車(だし)を引き、神として祀る風習も存在。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
高(致命的)
牛鬼はその巨体と怪力で人間を踏み潰すほか、毒気による間接的な死にも至らせる。漁師や村人が襲われる伝承が複数存在。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
目を合わせるだけで悪夢に苛まれる、人の心を狂わせる、家族の不幸を呼び込むなど、呪いに近い精神的干渉が伝承される。
遭遇確率
★★☆☆☆
特定の海辺や霊的に穢れた場所でのみ目撃例あり。
伝承・歴史
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四国地方(特に愛媛・高知)では、戦国時代の戦の死者が化けたものという伝承がある。
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高知県では「牛鬼祭り」が行われ、牛鬼を模した山車が登場するなど、恐れと同時に崇拝の対象でもある。
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奈良県では「牛頭天王」との関係も指摘され、疫病神的な役割を果たす。
現代文化での登場
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ゲーム「妖怪ウォッチ」シリーズに登場
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アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」では複数の姿で登場し、主に敵キャラクターとして描かれる
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漫画「ぬ~べ~」では地獄の使いとして登場
遭遇したらどうすればいい?
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海辺に近づかない(特に夕暮れ時)
牛鬼は夕暮れ時に海から現れるという記録が多く、その時間帯を避けることが第一の予防策。 -
牛鬼除けの護符を持つ
古来より牛鬼を避ける護符が伝わっており、特に四国では神社で授与されていた。 -
名前を呼ばない
名前を口にすることで気配を呼び寄せてしまうという言い伝えもある。 -
神事・祭礼に参加し加護を得る
牛鬼を祀る地域では、年に一度の祭に参加することで災厄から守られるとされる。