
妖怪名
姑獲鳥(うぶめ)
主な特徴
姑獲鳥は、出産中に亡くなった女性の霊が妖怪化した存在。
彼女たちは未練と愛情、そして苦痛に満ちた魂の形で現れ、新生児や子供にまつわる行動を取るのが特徴です。
多くは赤子を抱いた姿で現れ、夜な夜な町や寺社をさまよいます。
美しい女性の姿で現れることもあり、その瞳は深い悲しみと狂気を宿しています。
出現場所
神社・寺院, 墓地, 村・町, 家屋
関連都道府県
全国
能力・行動
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子供を抱えて出現
赤ん坊を抱きかかえた女性の姿で現れ、道行く人に「この子を抱いてください」と赤子を渡そうとする。 -
赤子の変化
受け取った赤子は、次第に重くなり、やがて石や腐乱死体へと変貌する。 -
産後の呪い
出産に関わる場所(産屋・産道・寺)に現れ、妊婦や赤子に悪影響を及ぼすことがある。 -
守護と怨霊の二面性
無害な場合もあり、赤ん坊を守る母の魂として子供を災厄から守る例も存在。
危険度ランク
B(警戒すべき)
物理的危害
中(危険)
赤子を抱かされた者は、次第に重くなり動けなくなり、最悪の場合圧死する。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
彼女の泣き声や視線に長時間さらされると精神に異常をきたす者も。
遭遇確率
★★☆☆☆
特に夜間、人の少ない墓地や寺社周辺での目撃例が多い。出産や育児に関する因縁のある家では頻出するという。
伝承・歴史
中国の怪異「姑獲鳥」が日本に伝わり、平安~江戸時代の怪談で独自に発展。
元は「妊婦のまま亡くなった女性が鳥と化す」という存在だったが、日本では「赤子を抱く女の霊」として定着した。
江戸時代の『今昔物語集』『耳嚢』『百物語』にも類似の怪異が記されている。
現代文化での登場
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京極夏彦『姑獲鳥の夏』
妖怪探偵小説として著名。姑獲鳥を霊的な存在として描きつつ、心理ホラーへ昇華。 -
アニメ『モノノ怪』・『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズ
哀しき母性の象徴として登場することがある。 -
ゲーム『妖怪ウォッチ』や『陰陽師』
女性型の妖怪キャラとして登場。美化された姿で描かれることが多い。
遭遇したらどうすればいい?
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赤子を受け取らない
最も重要な対処。受け取ると呪いや負傷の原因になる。 -
経文や御札を携帯する
子を失った霊に対し、成仏を促す写経やお経が有効とされる。 -
子供の安全を守る場所で祈願する
地蔵堂や子育て地蔵に参拝し、姑獲鳥の霊を鎮める文化がある。 -
妊婦や産後の女性の周囲を清める
出産に関係する場所を定期的に清め、悪霊の侵入を防ぐ。