
妖怪名
白溶裔(しろうねり)
主な特徴
白溶裔は、長年使われ放置された白布や白装束が妖怪化した存在とされ、半ば溶けたような姿で人の目の前に現れます。
「しろうねり」という名の通り、白く、うねるような形態をしており、視認者に不気味な印象を与えます。
夜間の家屋や古びた蔵に突如出現することが多く、静かに近づいてくる様子が記録されています。
出現場所
村・町, 家屋, 森・竹林
関連都道府県
全国
能力・行動
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不定形化する体質
細長く、粘液状にもなり、隙間から侵入してくる。 -
憑依能力
他の布や衣装に憑依して、別の物に偽装することができる。 -
精神に訴える幻視
見た者に死者の姿や過去の後悔を見せ、心を乱す。 -
音もなく動く
音を立てずに動き、後ろに回り込んでくる。
危険度ランク
B(警戒すべき)
物理的危害
中(危険)
首や顔に巻き付いて呼吸を妨げる、階段で足を引っかけ転倒させる等の事例あり。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
幻覚や悪夢を頻繁に見せ、精神を衰弱させる。眠れなくなる被害が多発。
遭遇確率
★★☆☆☆
主に古民家・使われていない納戸・屋根裏などで出現例がある。夜間が最も多い。
伝承・歴史
「白溶裔(しろうねり)」は、『画図百鬼夜行』などの古妖怪図絵にも登場する「しろうねり」が由来とされます。
特に、長く使われなかった布や白装束が化けて出るというテーマは「付喪神」としての系譜に連なり、「白装束を粗末にしてはならぬ」という戒めの一端としても語られてきました。
現代文化での登場
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妖怪図鑑・ゲーム(例: 『妖怪ウォッチ』)などに類似の妖怪が登場。
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「白布が動く」というモチーフで、ホラー作品や怪談にも頻出。
遭遇したらどうすればいい?
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古布を粗末にしないこと
放置された白布が妖怪化するという教訓に基づく。 -
明かりを灯す
暗がりでの活動が活発なため、光を当てると退散する場合あり。 -
塩と米をまく
精神に訴えるタイプの妖怪には、浄化の儀式が効果的とされる。 -
夢に現れたら霊場で祈祷
長期にわたって悪夢を見る場合は、神社・寺での浄霊を推奨。