瀬戸大将(せとたいしょう)

瀬戸大将(せとたいしょう)擬人化イラスト

妖怪名

瀬戸大将(せとたいしょう)

主な特徴

瀬戸大将は、長年使われ捨てられた瀬戸物(陶磁器)が集合し、怨念によって妖怪化した存在である。

鳥山石燕の絵では、寄せ集めの陶器の体を持ち、瀬戸焼の兜と鎧をまとった武者の姿で描かれている。

出現場所

神社・寺院, 村・町, 家屋

能力・行動

  • 陶器の身体
    様々な茶碗、壺、皿、徳利などが集まり、擬人化したような形をとっている。

  • 武芸に長けた姿勢
    甲冑姿をしており、あたかも一軍の大将のように堂々とした佇まいを持つ。

  • 怨念の具現化
    捨てられた物の無念を帯びており、特に乱雑に扱われた陶器ほど強い念を持つ。

  • 器物の復讐者
    使い捨て文化や浪費を象徴的に批判する妖怪でもある。

危険度ランク

C(ほぼ無害)

物理的危害

なし

基本的に直接的な危害は加えないが、破損音や落下音で驚かせることがある。

精神的影響

低(気味が悪い)

人が不用意に物を捨てたことへの後悔や、何かに見られているという不安感を覚えることがある。

遭遇確率

★☆☆☆☆

伝承・歴史

付喪神とは、百年を経た器物に魂が宿り妖怪化する存在である。

瀬戸大将はその中でも、陶磁器が集まって作られた最上位的存在とされており、名は瀬戸焼に由来する。

『画図百器徒然袋』に描かれる姿は、武者のような風格を持ち、器物たちの怨念を背負って人間社会に姿を現す。

現代文化での登場

  • 妖怪図鑑・児童向け図書などで度々紹介される。

  • 一部の創作作品では、器物の守護者やリーダー格として描かれる。

遭遇したらどうすればいい?

  1. 器物を大切に扱う
    付喪神の発生を防ぐ基本。丁寧な扱いは妖怪化を抑えるとされる。

  2. 不要な瀬戸物は供養する
    陶器供養などの儀式を通じて、怨念を静める文化が一部地域に存在する。

  3. 飾って感謝を示す
    長年使用した器物は飾り物として扱うと、瀬戸大将のような付喪神は害をなさない。