
妖怪名
胡蝶の精(こちょうのせい)
主な特徴
胡蝶の精は、蝶に宿った霊魂、あるいは死者の魂が蝶の姿を借りて現れたとされる妖怪または精霊。
特に平安時代や仏教においては「魂の化身」「死者の導き手」「夢の使者」として信じられていた。
美しい少女の姿を取り、夜の森や夢の中で静かに舞う。
出現場所
墓地, 森・竹林
関連都道府県
全国, 京都府
能力・行動
-
夢に現れる
眠っている人間の夢に現れ、死者の言葉を伝えることがある。 -
魂の案内者
死後の世界への導き手として、静かに現れ魂を連れていくとされる。 -
姿を蝶に変える
完全に蝶の姿になり、人目を避けて飛び立つ。人間にはほぼ見分けがつかない。 -
気配を消す
風と共に現れて、風と共に消える。痕跡を残さない。 -
香りと音の力
羽ばたくたびに甘い香りと、鈴のような音が漂う。これに気づいた者は、強い感情(癒しや悲しみ)に包まれる。
危険度ランク
B(警戒すべき)
物理的危害
なし
胡蝶の精自体に害意はないとされている。ただし、魂を連れ帰る存在であるため、死の予兆として現れることが多い。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
夢の中で美しい少女に出会った後、身内に不幸が訪れたという話がある。逆に、死別した家族に再会できて救われたという伝承も存在する。
遭遇確率
★★☆☆☆
人里離れた場所、特に月の光が強い夜、または死者の近くで目撃例がある。夢の中での遭遇がもっとも一般的。
伝承・歴史
『枕草子』や『源氏物語』など古典の中でも、蝶は「死者の魂」「美しき者の象徴」として描かれてきた。
胡蝶の精はそうした観念が妖怪として結晶した存在であり、特に僧侶や巫女の間では、霊夢の訪れとして尊重された。
「死者のそばに舞う一羽の蝶は、まだ成仏していない魂の姿」とも言われている。
現代文化での登場
-
『妖怪ウォッチ』や『ポケモン』などでは、美しい蝶系モンスターに霊的属性を与える元ネタにされている
-
アニメ『地獄少女』などでは、蝶が霊の象徴として頻繁に使われる
-
美少女+蝶=「儚くも危うい存在」として人気ジャンル
遭遇したらどうすればいい?
-
名前を呼ばない
名を与えるとその存在が現実化してしまうと言われている。 -
羽音を聞いたら身を清める
鈴のような羽音を聞いた後は塩や香で身を清めると災いを避けられる。 -
仏壇や先祖を拝む
死者の魂の導きである可能性があるため、感謝を込めて祈ることが吉。