
妖怪名
火車(かしゃ)
主な特徴
火をまとった巨大な猫または化け猫の姿で描かれ、死者の魂や遺体を奪いに現れる。
空から雷鳴と共に現れることもあり、忌まわしい死者を火車が奪っていくという伝承が多い。
出現場所
墓地, 村・町, 家屋
関連都道府県
山口県, 香川県, 愛媛県, 高知県
能力・行動
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死者を奪う
通夜や葬儀の場に現れ、罪深い者の遺体や魂を火を巻き上げながら持ち去る。 -
空を飛ぶ
雷雲と共に現れることがあり、黒煙をまとう猫のような姿で空を飛ぶという伝承がある。 -
火を操る
周囲を炎で包み、遺体を焼いたり、跡形もなく消すことがある。 -
猫の妖怪が変化した存在
長年生きた飼い猫が火車になるという言い伝えもあり、妖猫の一種とされることもある。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
高(致命的)
死体を奪い焼き尽くす力を持ち、生者にも攻撃を加えることがある。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
火車を目撃した者は恐怖で正気を失うとも言われる。
遭遇確率
★☆☆☆☆
夜の火葬場・山道などに出るという地域伝承あり。
伝承・歴史
『日本霊異記』『諸国百物語』などに登場。
元は中国の「火車神(火車将軍)」の影響ともされるが、日本では特に猫と結びついて独自の妖怪像が形成された。
罪人や不浄の死を遂げた者の魂を奪う“地獄の使者”的存在として恐れられた。
現代文化での登場
- 『ぬ〜べ〜』や『ゲゲゲの鬼太郎』にて、獣の姿や美しい女性に化けた火車が登場
- 『妖怪ウォッチ』『陰陽師』など多くのゲームに登場(猫妖怪として描写)
- VTuberや創作作品でも女性型の擬人化が増えている
遭遇したらどうすればいい?
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棺桶に重石をのせる
遺体が持ち去られないよう、棺に重りを置くという風習がある。 -
偽の遺体を用意する
本物の棺の横に「囮の遺体」を置くことで火車を騙す、という地域伝承がある。 -
猫を葬儀から遠ざける
猫が遺体のそばを通ると火車が来るという迷信があり、猫を通さないようにする習慣がある。