
妖怪名
貝児(かいちご)
主な特徴
「貝児」は長年使われた巻貝の貝殻に宿った精霊・妖怪であり、子どもの姿を取る付喪神。
見た目は5歳程度の子供だが、背中からは巻貝が突き出ており、そこから小さな潮が吹き出すことがある。
潮騒とともに現れ、夜の浜辺にひとりで遊んでいる様子がよく目撃されている。
出現場所
海
関連都道府県
高知県, 宮崎県, 鹿児島県, 沖縄県
能力・行動
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潮の囁き
貝児の近くにいると、潮騒のような囁き声が聞こえる。これは未来の出来事や人の心を告げるという。 -
海からの使い
溺れた魂や海に消えた者の思念を伝える「使者」としての役割を持つことがある。 -
貝を集める能力
身の回りに貝殻が集まる性質があり、貝児が現れた後の浜辺には珍しい貝が多く見つかるとされる。 -
子どもの姿による油断
愛らしい姿から人を油断させるが、実は霊的な力は強く、むやみに近づくと精神的な干渉を受ける。
危険度ランク
C(ほぼ無害)
物理的危害
なし
自ら攻撃してくることはなく、実体にもほとんど触れられない。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
夜にひとりで笑う姿や、言葉を発せずにこちらを見つめてくる行動が、人によっては「呪われたような気分」や「夢に出てくる」などの報告がある。
遭遇確率
★★★☆☆
漁村や貝祭り、夏の夜の浜辺など、人が海とつながる場所での目撃が多い。
伝承・歴史
鹿児島県の奄美地方や沖縄本島北部では、「貝児様(かいちごさま)」と呼ばれる小さな神霊として祭られていた痕跡がある。
古くなった巻貝の器を捨てず、神棚に供えていたという風習が見られる。
また、高知県室戸岬では「海で泣く子は貝児になる」という言い伝えがあり、水難を避けるための戒めとして語られていた。
現代文化での登場
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絵本『なみのおとをきいたこども』にて、主人公の前に現れる「不思議な貝殻の子」として描かれる。
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スマホゲーム『妖怪綺譚-海ノ章-』でサポート妖怪として登場。戦闘では回復と呪い除けを行う。
遭遇したらどうすればいい?
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話しかけずに静かに見守る
貝児は自分に危害を加えない者には無害であり、無理に干渉しなければ何も起きない。 -
貝殻を拾って供える
小さな貝を供えると、貝児が喜んで姿を現すという民間信仰がある。 -
夜の浜辺に子どもを一人にしない
貝児と遊んでしまうと、戻れなくなるという伝承があるため、注意喚起として用いられる。