
妖怪名
茨木童子(いばらきどうじ)
主な特徴
鬼の王「酒呑童子」の最も忠実かつ強力な家臣。
美しい顔立ちを持ちながらも恐ろしい力を誇る鬼。
片腕を源頼光の家臣・渡辺綱に切り落とされたことで有名。
出現場所
山, 村・町
関連都道府県
福井県, 京都府, 大阪府
能力・行動
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超人的な腕力と敏捷性
多数の侍を一人で圧倒する武力を持つ。特に跳躍力と瞬発力に優れ、羅生門の屋根に一瞬で飛び乗ったという。 -
変化(へんげ)の術を使う
人間の女性や老婆に姿を変え、人を油断させる策略に長けている。知性と妖力を併せ持つ鬼。 -
恐怖の再訪:切られた腕を取り返しに来る
渡辺綱に切られた自らの腕を取り戻すため、綱の伯母に化けて屋敷に現れ、腕を奪い返したという伝説はあまりに有名。 -
忠義の鬼
酒呑童子に心から仕え、主が倒れた後も都で復讐の機会を窺っていたとされる。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
高(致命的)
切断・拉致・襲撃など、物理的被害は多大。特に夜道での急襲が多い。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
化けられることで身近な人間すら信じられなくなる。精神的孤立を招くケースあり。
遭遇確率
★☆☆☆☆
伝承・歴史
茨木童子は、京都・大江山の酒呑童子の配下で、最強の副将格の鬼。
羅生門に出没し、都の民を怯えさせていた。
源頼光の家臣・渡辺綱が羅生門で茨木童子と戦い、右腕を切り落とすが、後日その腕を伯母に化けた茨木童子が奪い返すという逸話は有名。
茨木童子には「男性説」と「女性説」が両方存在する。
福井県の伝承などでは「酒呑童子の恋人あるいは妹的存在の女性鬼」として描かれることがある。
そのため、現代では女性寄りの擬人化が多く見られるが、どちらも正当な説とされる。
現代文化での登場
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アニメ・ゲーム『陰陽師』『Fate/Grand Order』『ぬらりひょんの孫』などで多数登場。
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美しい女性の鬼として描かれることが多く、「切ない復讐者」や「忠義の鬼」として人気
遭遇したらどうすればいい?
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姿を変えて近づいてくることに注意
老婆や親しい人に化けて現れることがあるため、怪しい人物には警戒することが必要。 -
武家屋敷の門はしっかりと守れ
伝承では、茨木童子は夜に屋敷を訪れて襲う。屋根や門から忍び込んでくる場合もある。 -
渡辺綱のように「断ち切る意志」を持つべし
切られてもなお再訪する執念深さがあるため、中途半端な対応は逆に危険とされる。