
妖怪名
五徳猫(ごとくねこ)
主な特徴
五徳(昔の囲炉裏や竈で鍋を置くための鉄製の台)と猫が融合した姿を持つ妖怪。
あるいは、長く人に使われた五徳が猫の霊と結びついて妖怪化したとされる。
姿は「三本足の猫」「鉄製の脚を持つ猫」「尻尾が五徳状」などさまざま。
出現場所
家屋
関連都道府県
全国
能力・行動
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火を操る
囲炉裏や火鉢の火を自在に操る能力を持ち、火災を起こすこともある。 -
家人を呪う
火の管理がずさんな家人に怒り、やけどや病をもたらすとされる。 -
鍋ややかんを動かす
誰もいないのに鍋が動いたり、五徳が音を立てる現象は五徳猫の仕業とされた。 -
飼い猫の霊が五徳に宿ることも
人に大切にされ、囲炉裏のそばで過ごしていた猫が死後に宿るケースもある。
危険度ランク
B(警戒すべき)
物理的危害
中(危険)
火傷・火事・家屋の損傷などを引き起こす可能性。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
火災事故の後に「猫の鳴き声がする」「五徳が動く」などの怪異が続くことがある。
遭遇確率
★★☆☆☆
古民家や古道具屋、囲炉裏の残る地域ではまれに“気配”を感じるとされる。
伝承・歴史
江戸時代の随筆『耳袋』や『御伽草紙』などに類似の話が見られる。
「猫又」と「付喪神(古道具の精霊)」の性質を併せ持つ稀有な存在。
現代では火災の迷信や、ペットと暮らした道具への愛着を象徴する存在として再評価されている。
現代文化での登場
- 妖怪漫画やイラスト集で、三本足の不気味な猫として登場
- 擬人化創作では「囲炉裏守りの和風メイド猫」的キャラに描かれることも
- 火属性の猫系キャラや、台所の精としてオマージュされることあり
遭遇したらどうすればいい?
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火の扱いに気をつける
囲炉裏やコンロの火を粗末に扱わず、清潔に保つと現れにくい。 -
猫や五徳に敬意を払う
長年使った道具や共に過ごした猫への感謝が、祟りを防ぐ鍵。 -
線香や酒を供える
機嫌を取るために、猫の霊に供物を供えるという習慣があった地域もある。