
分類: 霊的妖怪
妖怪名
餓鬼(がき)
主な特徴
餓鬼(がき)は、仏教に由来する妖怪であり、生前に強欲・嫉妬・貪欲な罪を犯した者が死後に落ちる餓鬼道の住人である。
餓鬼となった者は飢えと渇きに永遠に苦しむ存在となり、どんなに食べ物を求めても口に入れた瞬間に灰や炎に変わってしまうとされる。
見た目は痩せ細り、骨と皮ばかりの異様な姿をしているが、地域によっては鬼のような顔を持つものや、人間に紛れて生きる餓鬼もいるとされる。
出現場所
墓地, 村・町
関連都道府県
全国
能力・行動
- 無限の飢えと渇き
何を食べても満たされず、苦しみ続ける。 - 物質に触れると変質させる
水は火に、食物は灰に変わってしまう。 - 幽霊に近い存在
肉体を持たず、霊的な存在としてさまようことが多い。 - 生者に憑りつく
欲深い人間に憑依し、貪欲を増大させることがある。 - 供養によって救われる
「餓鬼供養」や「施餓鬼(せがき)」という儀式を行うことで成仏できる。
危険度ランク
B(警戒すべき)
物理的危害
低(軽傷)
直接攻撃はしないが、生者に悪影響を与えることがある。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
餓鬼に憑かれた者は、強い飢えや欲望に支配される。
遭遇確率
★★★☆☆
特定の儀式を行わないと現れにくいが、伝承は多い。
伝承・歴史
餓鬼の概念は仏教の六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天界)の一つである「餓鬼道」から生まれた。
餓鬼道に落ちた者は、生前の悪行により飢えと渇きに苦しむ罰を受けるとされる。
日本では古くから「施餓鬼(せがき)」という供養の儀式が行われ、特にお盆や法要の際には、僧侶が餓鬼のために食べ物を供える風習がある。
また、「餓鬼」と呼ばれる妖怪が村や町に現れ、食物を求めてさまようという伝承も残っている。
江戸時代には、極端に欲深い者や礼儀を知らない子供を「餓鬼のようだ」と例える言葉も生まれた。
これは、飢えに苦しみながらも欲望を抑えられない餓鬼の姿と重ねられたためである。
現代文化での登場
- 『鬼灯の冷徹』
地獄に登場する餓鬼たちがコミカルに描かれている。 - 『妖怪ウォッチ』
「餓鬼」をモチーフにした妖怪が登場。 - 『ペルソナ』シリーズ
餓鬼をモチーフにした悪魔が登場。 - 『地獄先生ぬ~べ~』
餓鬼に憑かれた人間が登場するエピソードがある。
遭遇したらどうすればいい?
- 施餓鬼供養を行う
餓鬼を成仏させるための供養を行う。 - 欲を抑え、節制する
餓鬼は強欲な者に取り憑きやすいとされる。 - 供え物をする
お寺や神社で餓鬼のために食べ物を供えると悪影響を防げる。