
妖怪名
百目鬼(どうめき)
主な特徴
百目鬼は、両腕に無数の目を持つ異形の女の妖怪。
普段は人間の女性の姿をしているが、袖の中から覗く多数の目により正体が露見する。
古い時代の盗人や悪女が変化した存在ともされる。
出現場所
神社・寺院, 村・町, 家屋, 森・竹林
関連都道府県
全国, 山形県, 福島県
能力・行動
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透視能力
他人の視界や遠くの出来事を、腕の目を通して覗くことができる。監視のように人間の動きを見張るのが得意。 -
記憶の具現化
相手の心に眠る「罪」や「過去の秘密」を幻視として見せる。これにより精神的なダメージを与える。 -
精神干渉
目を合わせるだけで、幻覚・幻聴を引き起こすことがある。現実と虚構の境界が曖昧になる。 -
隠し事の看破
嘘やごまかしを一瞬で見抜く能力を持ち、人の心の闇を暴き出す。その眼差しは「裁く目」とも恐れられる。
危険度ランク
B(警戒すべき)
物理的危害
中(危険)
両腕の目を使って相手の隙を見抜き、精神や肉体を蝕む幻視を見せる。直接的な攻撃は少ないが、精神的に追い詰めるタイプ。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
幻視により、自分の罪や過去の記憶が具現化され、精神をむしばまれる。最悪の場合、狂気に至る。
遭遇確率
★★☆☆☆
伝承・歴史
福島県会津地方に伝わる話では、かつて盗みを働いた女が腕に目が現れ始め、やがて百の目を持つ妖怪へと変じたという。
仏道に帰依し供養されることで、成仏したという記録も残る。
現代文化での登場
- 漫画『ぬらりひょんの孫』にて女性妖怪として登場
- ゲーム『妖怪ウォッチ』にも名称が流用されている
- 『陰陽師』などスマホゲームでもしばしば登場
遭遇したらどうすればいい?
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「見られて困ること」を考えない
百目鬼は人の心を読むわけではないが、「見られたくない」意識に強く反応し、そこに幻視を仕掛けてくる。 -
目を直視しない
特に袖から覗く多数の目と目を合わせないこと。視線を通じて精神干渉を受ける可能性が高い。 -
距離を取る
幻視の影響範囲は近距離に限定されることが多いため、素早く距離を取ることが第一の対処法。 -
お札や法具を使う
伝承では、仏教系の護符(特に「眼封じ」の文字が入ったもの)が効果的とされ、視界を遮断することで力を弱める。 -
視界を遮断する
相手の目と自身の目を布や障壁で遮ることで、精神干渉を防ぐ。特に夜間は布を頭から被ることが有効とされる。