
妖怪名
泥田坊(どろたぼう)
主な特徴
泥田坊は、かつて田んぼを所有していた農民の怨霊が変化した妖怪で、夜になると泥の中から這い出してくる。
全身が泥にまみれ、片目だけが爛々と光っている。
しわがれた声で「田を返せ……」と呻くように繰り返しながら、荒廃した水田や耕作放棄地を彷徨う。
出現場所
村・町
関連都道府県
新潟県, 長野県, 岐阜県, 滋賀県
能力・行動
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泥の中から突然現れる
足を取られるようなぬかるみから突然上半身を現すことがある。 -
怨念による精神干渉
見た者に罪悪感や不安を植え付ける。かつての土地所有や祖先に対する罪を感じさせるとも。 -
農作物への悪影響
泥田坊が出た田んぼは、翌年に実りが悪くなると言われる。
危険度ランク
B(警戒すべき)
物理的危害
中(危険)
泥沼に引きずり込む、足元を取って転倒させるなどの危険性。特に子供や高齢者にとっては致命的になる可能性も。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
泥田坊の呻き声を聞くと、その土地への罪悪感や悲哀に苛まれ、長期間夢に現れることも。
遭遇確率
★★★☆☆
荒れた田んぼや耕作放棄地、夜の農道での遭遇が報告されている。農家に伝わる口承が多く残る。
伝承・歴史
『絵本百物語』(1841年)などの古典妖怪書に記述があり、「田の怨霊」として登場する。
ある農民が大切に守っていた田んぼを息子が売り払ったため、父の怨霊が泥田坊として現れたという話が代表的。
現代文化での登場
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アニメ『妖怪ウォッチ』に泥田坊のパロディキャラが登場。
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ゲーム『妖怪百姫たん!』にて擬人化妖怪として登場。
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怨霊や復讐霊を題材にしたホラー作品でも類似する存在が見られる。
遭遇したらどうすればいい?
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田に手を合わせて敬意を払う
泥田坊は土地や農業に対する不敬を嫌うため、祈りや感謝を捧げることで鎮まるとされる。 -
田を清める(塩・酒・米)
古来より清めの儀式として行われ、霊的存在の鎮魂に効果があるとされる。 -
夜の田に近づかない
泥田坊の出現は夜に限られることが多いため、不用意な接近を避けるのが無難。