
妖怪名
屏風闚(びょうぶのぞき)
主な特徴
屏風闚(びょうぶのぞき)とは、部屋に立てた屏風の向こうを覗き込むように現れる、巨大で異形の顔の妖怪。
全身ではなく、顔だけが部屋の上方から突然覗いてくる姿で現れ、人々を驚かせたり、精神を揺さぶったりするとされる。
出現場所
村・町, 家屋
関連都道府県
全国
能力・行動
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異様な巨顔
屏風や障子の上から巨大な顔だけが覗き込む。首が異様に長い、あるいは顔だけの妖怪ともされる。 -
壁・天井の通過能力
家屋の構造を無視して出現可能。まるで空間を裂くように現れる。 -
視線による干渉
見つめるだけで相手の心を読み取る、または恐怖を植え付ける力があるとされる。 -
声を発さない
ただ「覗く」ことに特化しており、音を立てることなく現れる。
危険度ランク
C(ほぼ無害)
物理的危害
なし
肉体的な攻撃性は皆無。ただし驚きや転倒など間接的な事故の要因にはなりうる。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
「覗かれている」という原始的な恐怖心を呼び起こし、悪夢・不眠・精神不安を引き起こす可能性あり。
遭遇確率
★★☆☆☆
古い屋敷や旅籠、廃屋などでの目撃譚がまれに存在。夢枕に立つとも。
伝承・歴史
「屏風闚」は江戸時代の絵巻物や随筆(例:鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』)にも登場する妖怪。
名前のとおり、「屏風の向こうを覗く異形の顔」として描かれており、日本人の「見られることへの不安」や「覗き見られる恐怖」の象徴とされる。
その存在は、のっぺらぼうや見越し入道といった視覚トリック型妖怪とも関連が深い。
現代文化での登場
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絵巻系妖怪画集(妖怪絵巻、百鬼夜行など)に登場
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『百鬼夜行抄』や妖怪図鑑系書籍でイラスト化されていることあり
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漫画『妖怪ハンター』等ではモブ的に描かれることも
遭遇したらどうすればいい?
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視線を逸らす・無視する
視線を合わせると恐怖や幻覚が強くなると言われている。 -
枕元に鏡を置く
逆に「覗かれる側」から「覗き返す存在」になることで退散させるという伝承がある。 -
屋内の角に盛り塩を置く
家の四隅に塩を盛ることで侵入を防ぐという民間信仰。