
妖怪名
野衾(のぶすま)
主な特徴
野衾は、巨大なコウモリのような姿をした妖怪で、主に夜間に人間の頭上から襲いかかる。
名前の「衾(ふすま)」は「掛け布団」の意味を持ち、文字通り「野に潜む衾」=「夜の野に現れて人に覆いかぶさるもの」とされる。
目撃者の多くが「黒い影が覆ってきた」と証言しており、不意打ち型の妖怪として恐れられている。
出現場所
山, 家屋, 森・竹林
関連都道府県
全国
能力・行動
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飛翔しながら襲いかかる
高所から静かに滑空し、獲物の背後から忍び寄る。 -
全身で包み込むように捕獲
翼のような皮膜で対象を覆い、呼吸困難や意識混濁を引き起こす。 -
獲物の生気を吸う
完全に覆われると、体力や気力が吸われ、重度の疲労感を残す。 -
音を立てずに接近
完全な無音で接近するため、対処が極めて難しい。
危険度ランク
B(警戒すべき)
物理的危害
中(危険)
肉体的な損傷は少ないが、羽で包み込まれた者は呼吸困難・窒息・強烈な疲労を感じる。中には気絶や幻覚を見たという報告も。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
野衾に襲われた者は、一時的な閉所恐怖症や夜間恐怖症を患うことがある。また、再発夢(夜ごと同じ夢を見続ける)という霊障の例も。
遭遇確率
★★★☆☆
深夜の森や山村、街外れの古民家など、灯りの少ない場所では比較的高確率で遭遇する。
伝承・歴史
『怪談老の杖』『諸国里人談』など江戸時代の文献に登場。
山間部では「野衾に覆われると死ぬ」と恐れられ、子どもを夜間外に出さないための戒めとしても語られていた。
なお、正体が「年老いた巨大なコウモリ」とする地域もあれば、「影の妖怪」として認識される地域もある。
現代文化での登場
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『ゲゲゲの鬼太郎』に登場(獣人風コウモリ型妖怪)
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一部ホラー漫画・怪談系YouTubeにて「黒い布のような影」として演出される
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TRPGや妖怪カードゲームにて登場することもある
遭遇したらどうすればいい?
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頭上を警戒し、常に灯りを持ち歩く
光に弱いとされ、提灯や懐中電灯で追い払える。 -
鏡を携帯する
姿が映ると消えるという伝承がある地域も。 -
急に体が重くなったら地面に伏せる
背後から羽ばたいてくるため、地面に伏せて密着すれば効果的。 -
襲われたら大声で叫ぶ
音に敏感な性質があり、驚かせると逃げることも。