垢嘗(あかなめ)

垢嘗(あかなめ)擬人化イラスト

妖怪名

垢嘗(あかなめ)

主な特徴

垢嘗は、風呂場や浴室に現れる小型の妖怪で、名前の通り「垢」を舐める。

暗がりの中、ぬめった舌で浴槽の垢を舐める姿が非常に気味が悪く、目撃した人は寒気を感じるという。

痩せこけた体に長い舌、ねずみ色や茶褐色の肌で描かれることが多い。

出現場所

村・町, 家屋

関連都道府県

全国

能力・行動

  • 垢を舐める
    汚れた浴場にのみ現れ、壁や浴槽にこびりついた垢を長い舌で舐める。

  • 汚れと不浄を感知する
    清潔な場所には近寄らないため、現れる=不浄のサイン。

  • 見られると姿を消す
    人が近づく気配を察知すると一瞬で姿を消すため、目撃は非常に稀。

  • 風呂場の守り神的側面
    江戸時代には「垢嘗が出る家は怠け者の象徴」とされ、戒めの存在だった。

危険度ランク

C(ほぼ無害)

物理的危害

なし

垢を舐めるだけで、直接的な危害は報告されていない。

精神的影響

低(気味が悪い)

長い舌でぬめぬめと垢を舐める姿が非常に不気味で、人によっては入浴が怖くなるレベル。子供のしつけに用いられることもあった。

遭遇確率

★★★☆☆

特に昔ながらの木造家屋で、手入れされていない浴室に現れやすい。

伝承・歴史

『画図百鬼夜行』(鳥山石燕)や『今昔百鬼拾遺』などに登場する伝統的な妖怪。

江戸時代には、「不潔は怠惰の証」として、垢嘗の存在が子供や家人の戒めとなった。

「夜の風呂場には妖が来る」とされ、風呂の掃除が重要視された背景がある。

現代文化での登場

  • アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズに登場。ぬめぬめした長舌の妖怪として描写されている。

  • ゲーム『妖怪ウォッチ』ではキャラクター化されており、やや可愛らしくデフォルメされている。

  • 漫画『百鬼夜行抄』ではより古典的な姿で登場し、不気味さが強調されている。

遭遇したらどうすればいい?

  1. 風呂場を常に清潔に保つ
    垢嘗は汚れた浴室にしか現れない。日常の掃除が最大の予防。

  2. 夜中の風呂場に入らない
    垢嘗は人目を避けて深夜に現れるとされる。夜遅い時間の使用を避けると良い。

  3. 鏡を置く
    垢嘗は自分の姿を見るのを嫌うともいわれており、鏡で追い払えるという伝承もある。