
妖怪名
野寺坊(のでらぼう)
主な特徴
野寺坊は、朽ち果てた山中の寺院や無住の庵に現れる謎の僧形の妖怪です。
ぼろぼろの僧衣に身を包み、禿げた頭と深い皺のある顔を持ちます。
無言で佇むその姿は、まるでかつての僧侶の怨霊のようでもあります。
出現場所
墓地, 村・町, 森・竹林
関連都道府県
全国
能力・行動
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幻惑術
訪れた者の視界に奇怪な幻覚を見せ、寺の中に閉じ込める能力を持つ。 -
無言の呪い
言葉を発せずとも精神を圧迫する呪いを放ち、恐怖により動けなくする。 -
物質干渉
鐘を鳴らす、障子を開閉するなど、物理的な現象を起こすことができる。 -
記憶干渉
廃寺を訪れた人間の記憶を一部改ざんし、二度とその寺にたどり着けなくする。
危険度ランク
B(警戒すべき)
物理的危害
低(軽傷)
急に鐘の音が鳴り響くなどの恐怖演出による転倒・パニックが主な被害。直接的に攻撃はしてこないが、足場が崩れるなど間接的な危険がある。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
無言で佇む姿は非常に不気味であり、幻覚や夢に現れ続けることで精神的な疲弊・不眠症・幻聴などの症状を引き起こす。信仰心の薄い者ほど強く影響を受けるとされる。
遭遇確率
★★☆☆☆
静かな山間の廃寺に入り込んだ時や、夜の墓地付近で強い寒気を感じた際などに出会うとされる。都市部ではほとんど確認されていない。
伝承・歴史
「野寺坊」は、江戸時代の『画図百鬼夜行』や『百怪図巻』などに登場し、無住の寺に現れる幽霊僧として描かれています。
名前の由来は「野にある寺の坊主」という意味で、かつて弔われぬ死を迎えた僧の怨念や、忘れ去られた寺の魂が形を成したものとされます。
現代文化での登場
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漫画『百鬼夜行抄』では、無言の幽霊僧として登場。
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ゲーム『妖怪ウォッチ』シリーズでは、名前を変えて登場した例あり。
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アニメ『地獄先生ぬ〜べ〜』で類似の存在が描写されるエピソードが存在。
遭遇したらどうすればいい?
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寺に入らない
廃寺や無人の寺には安易に立ち入らないこと。仏罰や怨霊の干渉を受ける可能性がある。 -
読経や念仏を唱える
信仰の力は野寺坊の影響を弱めるとされる。南無阿弥陀仏などの念仏が有効。 -
線香を焚く
芳香と煙は、霊的存在を遠ざけるとされる民間伝承が多数ある。 -
目を合わせない
野寺坊と目を合わせると呪いが強まり、記憶や意識が曖昧になると伝えられる。