
妖怪名
犬鳴(いぬなき)
主な特徴
「犬鳴」とは、福岡県の犬鳴峠およびその奥に伝わる「犬鳴村伝説」に関連して語られる妖怪。
名の通り、犬の鳴き声のような不気味な声を発する霊的存在で、峠に近づいた者を迷わせたり、恐怖によって精神を蝕むとされる。
姿は明確に語られないことが多いが、人型と犬型の中間的な異形で描かれることが多い。
出現場所
山, 村・町
関連都道府県
福岡県
能力・行動
- 霊的声(犬の鳴き声)による誘導
不気味な犬の遠吠えが人間の方向感覚を狂わせ、峠や廃村へ誘い込む。 - 幻覚・幻聴の付与
視覚と聴覚を混乱させ、実在しない村や人物を見せる。 - 姿を持たない、または不明瞭な存在
見えたとしても獣と人のあいのこ、不安定な輪郭を持つ。 - 時間・空間の歪曲
同じ道を何度も歩かされる、出口にたどり着けないなどの怪異が報告される。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
中(危険)
落石や転落、動物に襲われるような幻覚が起きる場合があり、事故の引き金となる。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
長時間の接触で幻覚・幻聴・方向感覚の喪失を引き起こし、廃人化する恐れがある。
遭遇確率
★★☆☆☆
犬鳴峠やその周辺の山道にて、夜間や霧の濃い日に遭遇するとの噂が多い。
伝承・歴史
「犬鳴村伝説」では、地図から消された村や閉ざされた峠の噂とともに、「犬鳴」のような霊的存在が住むとされる。
その正体はかつて処刑された者の怨霊、あるいは捨てられた犬の魂の集合体といった説も存在。
民間伝承というよりは都市伝説型妖怪に分類されるが、特定の土地に根付く妖異である。
現代文化での登場
- ホラーゲーム『犬鳴トンネル』や映画『犬鳴村』などでその名が登場。
- 正体のはっきりしない「人間ではないもの」として演出されることが多く、ジャンルとしてはホラー寄り。
- 一部では地縛霊の集合体、または廃村の守護獣という新解釈も。
遭遇したらどうすればいい?
- 犬の像や犬の鳴き声を利用する
犬鳴は“犬”という存在に反応し、鳴き声で霊力が乱れるとされる。 - 峠の地元民に道を聞く
伝承では、外部の者には見えず地元民には存在がわかる場合がある。 - 写真・録音を試みない
撮影や録音をしようとすると、逆に霊障を招くとの報告がある。