影法師(かげぼうし)

影法師(かげぼうし)擬人化イラスト

妖怪名

影法師(かげぼうし)

主な特徴

影法師とは、自分の影ではない影が勝手に動いたり、別の形になって現れる現象に宿る妖怪。

壁や障子に映る人影が本体と異なる動きを見せる、もしくは誰もいないはずの場所に影だけが存在するなどの怪異を引き起こす。

影の正体は霊であるとも、異界の存在であるともされる。

出現場所

神社・寺院, 墓地, 村・町, 家屋

関連都道府県

全国

能力・行動

  • 影を操る能力
    人間の影を意図的に操り、現実とは異なる動作をさせる。
  • 実体を持たない存在
    完全な霊的存在であり、触れることはできない。
  • 感情の投影
    人間の不安や後悔が濃くなると、その影に取り憑いて形を成すことがある。
  • 「影を抜かれる」現象
    長く憑かれると本人の影が消えたり、別の意思を持って動き出す。

危険度ランク

B(警戒すべき)

物理的危害

なし

実体を持たないため物理的な攻撃や害はない。

精神的影響

中(恐怖・呪い)

自身の影が勝手に動く、別の人間の影がついてくるなど、不安と狂気を誘発する現象を引き起こす。

遭遇確率

★★★☆☆

夜間や明かりが少ない家の中、街灯の下、障子越しの光など、光源と影が強調される場面で発生しやすい。

伝承・歴史

江戸時代には「影法師に魂を取られる」という言い伝えがあり、影が薄い人間=存在が曖昧になる人間とも比喩されていた。

心に闇を持つ者が影法師に取り憑かれやすいとされる。

現代文化での登場

  • 漫画やゲームでは「自分の影が自我を持ち敵になる」設定の元ネタとなることが多い。
  • 『ゲゲゲの鬼太郎』などにも影の妖怪として登場する回がある。
  • 「影」そのものをテーマにした都市伝説の中にも、影法師に酷似した存在が見られる。

遭遇したらどうすればいい?

  1. 強い光を当てる
    影法師は明るすぎる場所では姿を保てない。日光や強力な灯りが効果的。
  2. 自身の影に意識を向けない
    意識すればするほど影法師が力を得るとされる。無視することが大切。
  3. 影を封じる札を使う
    古来、陰陽師が用いた「影封じの符」が伝承に登場する。戸口に貼ると影を寄せつけない。