
分類: 火の妖怪
妖怪名
火間虫入道(ひまむしにゅうどう)
主な特徴
巨大な僧形の姿をした妖怪で、真っ赤に燃えるような顔を持つ。
夜道や家の障子越しに突如として現れ、人間を威圧する。
名前にある「火間虫」は、昔の火を運ぶ虫(火の粉や蛍)を意味するとされる。
出現場所
墓地, 村・町, 家屋
関連都道府県
滋賀県, 京都府, 奈良県
能力・行動
- 急激に姿を大きく変化させる
最初は小さな姿だが、目を離すと急激に巨大化して威圧してくる。 - 「見上げると命を取られる」呪い
火間虫入道を見上げると魂を抜かれ、病に倒れるという。 - 炎を操る力
身体から火の粉を飛ばし、家屋を焼き払うことがある。 - 幻惑による侵入
家の戸口や窓に現れ、家人に錯覚を与えて侵入する。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
高(致命的)
見上げただけで昏倒・死亡する伝承があり、火災を引き起こす危険もある。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
突如現れる姿と呪言により、強烈な恐怖と錯乱状態を引き起こす。
遭遇確率
★★☆☆☆
主に夕暮れから夜にかけて、民家の障子越しや墓地周辺に出没する。
伝承・歴史
『百鬼夜行絵巻』などに描かれ、奈良や京都では火災や疫病の前触れとして恐れられていた。
「火間虫」は火災に先立って現れる小さな火の精霊、「入道」は僧形の巨大妖怪の意。
現代文化での登場
- 『百鬼夜行』絵巻にて恐怖の象徴として描写
- 漫画『地獄先生ぬ~べ~』にて怨霊のような存在として登場
- 一部ゲームでは巨大な火の僧兵のように擬人化されることもある
遭遇したらどうすればいい?
- 絶対に見上げない
「見上げると命を取られる」という伝承があり、うつむいたままその場を離れるべき。 - 火打石や護符を用意する
古くは火の妖怪を鎮めるために火打石で音を立てる風習がある。 - 家の戸や障子を強く閉めておく
障子越しに姿を現すとされるため、夜はしっかり戸締まりを。