温羅(うら)

温羅(うら)擬人化イラスト

妖怪名

温羅(うら)

主な特徴

古代吉備国に現れたとされる異国の鬼神・王。

高い知性と戦力を持ち、吉備の地に城を築き、民を治めていた。

朝鮮半島から渡来した「渡来人」または「異族」とされることもあり、

後世には桃太郎に退治される鬼の原型と考えられる存在。

出現場所

山, 村・町

関連都道府県

岡山県

能力・行動

  • 武力と戦術に優れる
    温羅は、侵略者というよりも拠点を持ち、吉備地方で強い影響力を持った支配者的存在だった。

  • 製鉄技術や文化をもたらした異人とも
    その力の源は、「製鉄」「土木」「土器」などの高度な技術だったという説があり、
    鬼=悪ではなく「文明を持つ異民族」として描かれることもある。

  • 鬼の姿に変化したという伝承も
    討伐を恐れた温羅が自ら鬼の姿に変じて戦ったというバリエーションもあり、
    現地では「鬼神」としての信仰もあった。

  • 霊となって吉備津神社の「鳴釜神事」に宿る
    退治された温羅の霊は今も吉備津神社の釜に宿り、未来を占う霊験をもたらす存在とされている。

危険度ランク

S(最強)

物理的危害

高(致命的)

人々を殺害・連れ去ったという記述が口承で残っており、実害のある侵略者。

精神的影響

中(恐怖・呪い)

姿や名前を思い出すだけで不安になる。

遭遇確率

★☆☆☆☆

伝承・歴史

吉備津彦命(桃太郎のモデル)と温羅との戦いは、日本書紀には記載がないが、地元に強く根付く古代伝承

温羅は鬼ノ城を築き、吉備を拠点にしていたが、討伐軍により敗北。

最後は斬首されるも、首だけが空を飛びながら笑ったと言われる。

その霊が吉備津神社の釜に宿り、鳴釜神事(釜の音で吉凶を占う)として現在も継承されている。

現代文化での登場

  • 岡山の郷土史・地元教材では頻繁に登場。

  • 桃太郎の「鬼」の元ネタとして、児童向け作品や歴史研究でも注目されている。

  • 映像作品や創作物では、知的で異国的なカリスマ鬼として描かれる傾向がある。

遭遇したらどうすればいい?

  1. 現代では霊的存在として神社に祀られているため、実害はない
    ただし、釜の音を「笑い声」と捉える伝承もあり、軽んじる行為は避けるべし

  2. 温羅の地(鬼ノ城)では供養の心を持って訪れること
    吉備の鬼は今や「土地神」ともいえる存在。敬意を持って接することが重要

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