油すまし(あぶらすまし)

油すまし(あぶらすまし)擬人化イラスト

妖怪名

油すまし(あぶらすまし)

主な特徴

石のような顔に短い体、頭巾をかぶった不思議な姿で現れる。

表情は常に無表情で、どこか哀しげな雰囲気をまとっている。

杖をつきながら山道にたたずむことが多い。

出現場所

山, 村・町, 森・竹林

関連都道府県

熊本県

能力・行動

  • 油の精霊・罪の化身
    伝承では、寺の油を盗んだ罪深い人間が死後、油すましとして現れるとされます。つまり油を盗んだ罪の報いで妖怪化した存在です。

  • 人間の言葉を理解する
    油すましは言葉を話すことは少ないが、人間の会話を聞いて理解しているとされ、突然話しかけてくることもあります。

  • 人を驚かすだけで害はない
    基本的には無害で人を襲うことはないが、山道で急に現れて人を驚かすため、遭遇した者には強い印象を残します。

  • 魂の浮遊存在
    生前の罪によって成仏できず、山中を彷徨い続ける存在とされ、霊的な意味合いも持っています。

危険度ランク

C(ほぼ無害)

物理的危害

なし

実害なし。突然現れて驚かせる程度。

精神的影響

低(気味が悪い)

見た者は不気味さと罪深さに怯えることがあるが、呪いや憑依などの被害はない。

遭遇確率

★★★☆☆

特定地域では比較的有名。

伝承・歴史

熊本県天草地方の山道に現れるとされ、「昔、寺の油を盗んだ者が妖怪になった」という口承がある。

油は当時非常に貴重で、盗みは重大な罪だった。

現代文化での登場

  • 『ゲゲゲの鬼太郎』などに登場し、石のような顔と杖が印象的なデザインで描かれている。

遭遇したらどうすればいい?

  1. 静かに通り過ぎる
    油すましは無害な存在であるため、話しかけたり、からかったりせずに通り過ぎるのが最善とされます。

  2. 目を合わせても問題ないが、失礼な態度はNG
    礼儀をもって接すれば何もしてこないと言われています。失礼な言動は不運を招くとも。

  3. 子どもに注意を促す存在として語られる
    昔は「悪い子は油すましに連れて行かれるよ」と子どもへの戒めとして伝えられていた妖怪です。