飛縁魔(ひえんま)

飛縁魔(ひえんま)擬人化イラスト

妖怪名

飛縁魔(ひえんま)

主な特徴

飛縁魔とは、色欲や怨念によって死んだ女性が変じた妖怪であり、美しい女の姿で夜な夜な現れ、男を誘惑し命を吸い取る存在。

「飛縁」とは“縁を飛び越える”という意味で、本来結ばれるべきではない者に対して、強引な縁を結びに来る霊を指す。

出現場所

神社・寺院, 村・町, 家屋

関連都道府県

全国

能力・行動

  • 夢の中に現れる
     眠っている男性の夢に美しい女性として現れ、色仕掛けで心を奪う。

  • 精気を吸い取る
     関係を持つことで相手の命や魂を吸収し、やがて死に至らしめる。

  • 孤独な者につけ込む
     未婚者や失恋した者、心に隙のある者に強く取り憑く傾向がある。

  • 自らを“かつて愛された者”と偽る
     過去の縁を装って現れ、情に訴えて近づいてくることもある。

危険度ランク

A(非常に危険)

物理的危害

中(危険)

精気を吸い尽くすことで体力を著しく奪う。

精神的影響

高(精神崩壊・死)

現実と夢の区別がつかなくなり、正気を失って死亡するケースもある。

遭遇確率

★★☆☆☆

深夜に独りで眠る者の枕元や夢の中に現れるとされる。都市伝説としても時折語られる。

伝承・歴史

江戸時代の怪談本『耳袋』や『伽婢子』などに類話あり。

特に、未練や情念に縛られた女性の霊が、男女の縁を“死をもって結ぼう”とする姿が描かれており、生き霊と死霊の境界を持たない存在とされる。

現代文化での登場

  • 漫画『地獄先生ぬ〜べ〜』『鬼灯の冷徹』などで誘惑系女妖怪として登場
  • 美少女化されることが多く、「夢魔」や「サキュバス」と混同される場合も
  • ゲームや小説では「愛を求める悲しき女」としての背景を持つキャラが多い

遭遇したらどうすればいい?

  1. 夢で名前を呼ばれても応じない
     名を呼ばれると魂を引かれ、二度と目覚められないことも。

  2. 結界や御札を枕元に置く
     寺で祓った札や念珠を用意することで侵入を防げる。

  3. 人恋しさを抱いたまま眠らないこと
     寂しさや欲望に心を支配されている時、もっとも付け込まれやすい。