
妖怪名
鉄鼠(てっそ)
主な特徴
鉄のように硬い毛並みを持った巨大なネズミの姿をした妖怪。
かつて僧侶だった男の怨念が変化し、経典や仏具をかじり、寺を荒らす妖怪として出現したとされる。
出現場所
山, 神社・寺院, 墓地
関連都道府県
京都府, 奈良県, 和歌山県
能力・行動
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経典を食い荒らす
仏教の経文や仏具、写経を噛みちぎって汚すとされる。 -
仏門に怨みを抱く者の化身
不当な扱いや仏門の腐敗に怒り、妖怪と化した元僧の姿とも。 -
姿は巨大な黒鼠
全身が鉄のように硬く、光を反射しない黒で覆われている。 -
幻術や呪詛を操ることもある
寺に災いをもたらし、僧の心を乱す霊的影響を持つとされる。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
中(危険)
経文や仏具の破壊を引き起こし、僧侶や関係者に怪我や災難をもたらす。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
僧侶が正気を失う、幻聴に悩まされるなどの事例が語られる。
遭遇確率
★☆☆☆☆
現代の寺院では滅多に語られないが、写経堂や山寺の奥に「鉄鼠が出る」と伝えられる地域も。
伝承・歴史
鉄鼠の元ネタとされる伝承は『徒然草』や『太平記』などに登場。
高僧でありながら無念の死を遂げた者の怨霊が巨大な鼠の姿となり、寺に災厄をもたらしたという話がある。
仏教的堕落への警鐘とも解釈される。
現代文化での登場
- 京極夏彦『鉄鼠の檻』で有名(鉄鼠=元僧の怨念として描かれる)
- ゲーム『陰陽師』『百鬼異聞録』などでネズミ型の術師や幻術師として登場
- 擬人化では「僧衣をまとった鼠系妖怪」「破戒僧スタイル」などが人気
遭遇したらどうすればいい?
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供養・写経供養を行う
成仏できずに怨霊化した存在のため、丁重な供養が効果的とされる。 -
寺院を清め、経典を大切に扱う
仏教的な心を忘れた者の前に現れやすいため、信心深さが鍵。 -
火や香を焚いて退ける
鉄鼠は霊的存在であるため、浄化の煙や香の力で遠ざけられることがある。