妖怪名
七人童子(しちにんどうじ)
主な特徴
七人一組で現れる子どもの姿の妖怪。
夜半の四辻に突如として姿を見せるとされ、不気味な沈黙と異様な気配を伴う。
地域によっては蓑笠をまとった霊的存在として描写される。
出現場所
山, 村・町
関連都道府県
徳島県, 香川県
能力・行動
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集団出現
必ず七人一組で現れ、単独では目撃されない。数の異様さ自体が恐怖の象徴とされる。 -
呪的気配の発生
直接危害は加えないが、遭遇した者に強い不快感や体調不良を引き起こす。 -
出現地点の固定性
特定の四辻にのみ現れるとされ、その場所は次第に忌避され人が通らなくなったという。 -
供養による鎮静
地蔵建立や供養を行うことで出現しなくなったと伝えられる例がある。
危険度ランク
B(警戒すべき)
物理的危害
なし
直接的な攻撃や負傷の記録はなく、身体的被害は伝承上確認されていない。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
遭遇者は強い不安感、気分の悪化、恐怖感に襲われるとされる。特に夕暮れや丑三つ時に遭うと影響が強いと語られる。
遭遇確率
★★☆☆☆
伝承・歴史
香川県仲多度郡多度津町では、丑三つ時に四辻を通ると七人童子が現れるとされ、その四辻は特定の場所として恐れられていた。
徳島県板野町では、阿讃山脈から七人童子を伴った首切れ馬が現れたという伝承があり、人々が恐れて地蔵を建て供養した結果、怪異は鎮まったとされる。
また香川県には、表記の異なる「七人同志」という怨霊の伝承も存在し、寛延年間の農民騒動で処刑された七人の霊が由来とされている。
現代文化での登場
特定の有名作品への登場は少ないが、地方怪談や民俗学資料、郷土史研究の中で紹介されることがある。
遭遇したらどうすればいい?
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その場を速やかに離れる
四辻に留まることで気配の影響を強く受けるとされるため。 -
家に入る前に箕や扇であおぐ
七人同志の伝承では、穢れを祓う民間信仰的な対処法として伝えられる。 -
地蔵や供養碑に手を合わせる
怨霊性が強いため、鎮魂が最も有効と考えられている。