分類: 人型妖怪
妖怪名
鬼女(きじょ)
主な特徴
人間の女性が強い怨念や宿業によって鬼へと変貌した存在。
若い女性の姿を保つものは妖艶さと恐ろしさを併せ持ち、長い黒髪、鋭い眼光、角や異様な怪力を示すことが多い。
外見は美しさと狂気が同居するのが特徴。
出現場所
山, 村・町, 家屋, 森・竹林
関連都道府県
福島県, 長野県, 三重県, 高知県
能力・行動
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怨念による鬼化
深い嫉妬、裏切り、愛憎などの感情が積み重なり、人の身を捨てて鬼となる。 -
怪力
人間離れした力を持ち、男数人を容易く打ち倒すとされる。 -
人肉嗜食
特に旅人や妊婦を襲う話が多く、胎児を喰らうという凄惨な伝承も存在する。 -
人を惑わす美貌
若い鬼女は人間の女性に見えるため、油断した者を罠に誘い込む。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
高(致命的)
怪力による殺害、喰殺、追い詰めて逃げ場を失わせるなど、直接的かつ致命的な被害をもたらす。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
人であった頃の情念を向けられることで、強烈な恐怖や呪いを受け、正気を失う者も多い。
遭遇確率
★★☆☆☆
低いが伝承上は各地に存在。
伝承・歴史
鬼女は日本各地の物語・能・説話に登場する代表的存在で
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信州戸隠・鬼無里の紅葉伝説
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鈴鹿山の鈴鹿御前
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福島県の安達ヶ原の鬼婆(黒塚)
などが有名である。
また『土佐お化け草紙』には、安達ヶ原伝説が土佐に伝播し、妊婦の胎児を喰らう鬼女として描かれている。
現代文化での登場
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能「黒塚」
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日本昔話・民話
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漫画・アニメ・ゲームにおける「怨念系女性妖怪」の原型
遭遇したらどうすればいい?
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深入りしない
同情や情に訴えかけられても近づかないことが最重要。 -
夜道・山道を避ける
鬼女は人里離れた場所に潜むとされる。 -
寺社に助けを求める
僧侶や祈祷によって鎮められたという伝承が多い。