
妖怪名
清姫(きよひめ)
主な特徴
清姫は、安珍・清姫伝説で知られる女性の怨霊であり、嫉妬と執念が極まって蛇に変化した妖怪的存在とされる。
人間の姿では美しい女性として現れるが、怒りと怨念が高まると蛇体に変化し、火をまとって現れる。
最期には道成寺の鐘の中に隠れた安珍を焼き殺したという恐ろしい逸話で有名。
出現場所
川, 滝, 神社・寺院, 墓地
関連都道府県
京都府, 奈良県, 和歌山県
能力・行動
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蛇体変化
感情が激しくなると、下半身が巨大な蛇のような姿に変化し、目が紅く輝く。 -
怨炎召喚
嫉妬の炎で対象を焼き尽くす力を持つ。これにより道成寺の鐘を溶かしたとも言われる。 -
感情増幅
自分が持つ怒りや哀しみの感情を、周囲の人間にも伝播させる。近づくだけで気分が不安定になる者も多い。 -
執念による追跡
一度「裏切り者」と認識した者を、執拗に追い続ける。水上でも山中でも、その足取りは止まらない。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
高(致命的)
霊体であるが、実体化時には炎や蛇の力で人を直接攻撃可能。焼死、蛇締めなどの伝承あり。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
怨霊特有の影響で、夢の中に現れ、精神をじわじわと破壊する。恋愛に関わるトラウマや被害も報告されている。
遭遇確率
★☆☆☆☆
特定の条件(怨念・裏切り・恋愛のもつれ)を満たした時にのみ出現する。
伝承・歴史
「清姫」は平安時代の伝説に登場し、熊野の豪族の娘とされる。
旅の僧「安珍」に一目惚れし、想いを伝えるが拒絶され、裏切られたと感じた清姫は怨念に燃えて追いかけ、最終的に蛇に変じて彼を焼き殺す。
この伝承は能・歌舞伎・浄瑠璃・『道成寺物』など多くの古典芸能で描かれている。
現代文化での登場
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『Fate/Grand Order』にて英霊として登場。可愛らしい少女の姿と狂気的な愛情表現で人気を博している。
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アニメ『地獄少女』では、恋慕から怨霊になる女のモチーフとして清姫が意識されている描写がある。
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漫画『百鬼夜行抄』や『鬼灯の冷徹』でも名前や伝承が取り上げられている。
遭遇したらどうすればいい?
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嘘をつかない、期待を持たせない
清姫は「裏切り」や「期待させて捨てること」に強い反応を示すため、誠実な態度が最も効果的。 -
鐘の音を鳴らす
道成寺の鐘は怨霊封じの象徴ともされており、鐘の音が清姫の霊を鎮めることがある。 -
水の結界を作る
元が水辺の妖怪であるため、清浄な水を使って結界を張ると侵入を防げるという伝承がある。 -
恋愛のトラウマを抱えた者は注意
清姫は似た境遇の人間に共鳴しやすいため、無自覚に引き寄せる可能性がある。