妖怪名
笑般若(わらいはんにゃ)
主な特徴
狂気に満ちた笑みを浮かべた女性の妖怪。
角と牙を持ち、般若面のような恐ろしい顔で知られる。
葛飾北斎の浮世絵『百物語』に描かれたその姿は、子供の生首を手にし、まるでザクロの実をもてあそぶかのように嗤っている。
人間離れした異様な笑い声が特徴。
出現場所
墓地, 村・町, 家屋
関連都道府県
長野県
能力・行動
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狂笑の呪い
聞いた者を精神的に蝕む異常な笑い声を放つ。時間が経つにつれ、聞いた者もまた理由もなく笑い出し、ついには発狂する。 -
幻視の誘発
目を合わせた者に幻覚を見せる。特に「自分の大切な人の死」を見せる幻が多く、精神的に追い詰める。 -
怨念の具現化
子を失った母の強い怨念が実体化した存在とも言われ、特に子供を持つ親に対して強く反応し、狙う。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
中(危険)
実体を持つ場合、鋭い爪や牙による攻撃で人間を傷つける。特に子供に対して残虐な行動を取る傾向がある。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
狂気の笑いにより、精神の平衡を失わせる。長く接すると幻覚・幻聴に悩まされ、最終的に錯乱状態になる。古い記録では、この妖怪の笑いを聞いた村人が次々と心を病んだとされる。
遭遇確率
★☆☆☆☆
伝承・歴史
『百物語』に収められた浮世絵では、「笑いはんにや」として描かれており、鬼女のような姿で子供の首を持ち、狂気の笑顔を浮かべる姿が印象的。
長野県では、かつて村で幼子が行方不明になった際に「笑い女」が現れたという口承が残っており、村人たちは般若面を神棚に飾って災厄除けとしたという記録がある。
現代文化での登場
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一部ホラーゲームに「笑う般若面の女」として登場。
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アニメや漫画では般若面をかぶった女性鬼として描かれることもあり、狂笑をテーマにした怪異の象徴として利用される。
遭遇したらどうすればいい?
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般若面を逆さに吊るす
笑般若に対する結界効果があるとされる。自身の姿を鏡に見ることを嫌うため。 -
笑い声に耳を塞ぐ
笑いの呪いを防ぐには、鈴や鉦を鳴らす、耳を塞ぐなどして対処することが重要。 -
ザクロを供える
子供の魂を象徴する果実として、怒りを鎮めると伝えられる。特に子供を守る意志の象徴となる。