妖怪名
つらら女(つららおんな)
主な特徴
冬に現れ、儚げな美しさを持つ女性の姿をしている。
青白い肌、長い黒髪、澄んだ瞳を持ち、寒さの中でも薄着で震えることがない。
氷や雪のように透き通った雰囲気を纏う。
出現場所
村・町, 家屋
関連都道府県
青森県, 岩手県, 秋田県, 山形県, 新潟県
能力・行動
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氷と一体化する能力
つらら女は自らの身体を氷やつららへと変化させることができ、消えるように姿を隠す。 - 
寒気の発生
彼女が現れた家では室内でも寒気が漂い、時に霜が降りることがある。 - 
心を読む能力
人間の心の寂しさや願いに敏感で、孤独な者の前に現れるとされる。 - 
情念の復活
一度結ばれた相手が自分を忘れた場合、激しい嫉妬や怒りを抱き、つららとして現れて命を奪うこともある。 
危険度ランク
B(警戒すべき)
物理的危害
中(危険)
特定の状況下で、つららの姿になって人間を刺し殺す。これは裏切りや忘却への報復であり、日常的に襲ってくるわけではない。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
つらら女に取り憑かれた者は、冬になると夢に現れる彼女の幻影に悩まされる。心に寂しさを抱く者ほど、精神的に取り込まれやすい。
遭遇確率
★★☆☆☆
冬季の雪深い地域において、孤独な心を持つ人間の前に現れやすい
伝承・歴史
つらら女の伝承は主に東北地方に見られ、「氷柱女房(しがまにょうぼう)」や「つらら女房」とも呼ばれる。
共通するのは、「つららを見て美しい女性を願った男の前に実際に女が現れる」という流れであり、結末は地域によって異なる。
風呂に入ると姿を消す話、再婚した男に復讐する話などがあり、雪女と混同されがちだが、より“儚い恋愛”や“失われた存在の悲哀”が色濃い。
現代文化での登場
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マイナーな民話のため大衆的なアニメ・漫画での登場は少ないが、いくつかの都市伝説系作品で雪女の亜種や類似妖怪として登場。
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創作界隈では「儚い氷の乙女」「冬にしか現れない恋人」的なモチーフとして用いられることがある。
 
遭遇したらどうすればいい?
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不用意に願いを口にしないこと
つらら女は人間の願いに呼応して現れるため、「美しい妻がほしい」といった願望は口に出さないようにする。 - 
入浴を強制しないこと
風呂に入れると正体が露呈してしまうため、彼女が風呂を嫌がる場合は無理に入れようとしてはいけない。 - 
別れた後に新しい恋を急がない
つらら女は嫉妬深い一面を持つため、再婚などの話が知られると命を狙われる危険がある。 - 
春が来るまで静かに見送る
春になると自然に姿を消すことが多いため、無理に引き留めないのが最善。