
妖怪名
玉藻前(たまものまえ)
主な特徴
玉藻前は、平安時代の宮中に仕えた絶世の美女。
その正体は九尾の狐で、帝を病に陥れた恐るべき妖怪。
美しさ・知性・妖術をすべて兼ね備えた存在であり、千年以上の時を生きる神獣でもある。
出現場所
神社・寺院, 村・町, 家屋
関連都道府県
栃木県, 京都府, 奈良県
能力・行動
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完全変化の術
完璧な人間の女性として人間社会に溶け込むことができる。誰にも見破られない。 -
帝を惑わす絶世の美貌と知性
学問・芸術・占術に長け、周囲を完全に魅了する。 -
九本の尾による妖力制御
それぞれの尾に異なる力を宿し、天候を操り、呪術や幻術を放つ。 -
言霊と呪詛
言葉だけで人を狂わせ、病に陥れる。平安期の陰陽師も太刀打ちできなかった。 -
転生・復活
封印されても時を経て復活すると言われ、怨念をもって現れることもある。
危険度ランク
S(最強)
物理的危害
高(致命的)
正体を暴かれた後は妖狐として暴走し、雷を呼び、数百人を焼き尽くしたとされる。人間の軍勢では手に負えない存在。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
その美貌と存在感に触れるだけで理性が崩れ、従属・発狂・自死に至る者も。夢に現れて人を呪うとも言われる。
遭遇確率
★☆☆☆☆
通常の人間では遭遇不可能。神職や霊感者が神域・結界・夢の中で邂逅する可能性がある。
伝承・歴史
平安時代末期、鳥羽上皇に仕えた女官「玉藻前」が正体を見破られ、栃木県「那須の原」で討伐されたという有名な逸話がある。
殺された後も「殺生石」となり、そこに近づいた者を殺す呪物と化した。
2022年、実際に栃木県の殺生石が自然に割れ、「玉藻前の封印が解けた」と話題になった。
現代文化での登場
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『Fate/Grand Order』:キャラクター「玉藻の前」として大人気(美少女+狐+術士)
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『陰陽師(NetEase)』:高レアキャラで九尾として登場
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多くの漫画・アニメ・ゲームで九尾の狐の原型として描かれる定番妖怪
遭遇したらどうすればいい?
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言葉を交わさない
言霊で精神を侵食される危険あり。無言で退避。 -
鏡で正体を映す
鏡は妖の正体を映すとされ、かつて陰陽師も使用した。 -
呪符と五行封印術
強力な陰陽術のみが彼女の力を封じると伝えられる。一般人には不可能。 -
殺生石には近づかない
栃木県・那須にある殺生石は、現在も危険な霊場として扱われる。