妖怪名
河女(かわおなご)
主な特徴
青森県浪岡町に伝わる、美しい女性の姿をした妖怪。
透き通るような白い肌と長い黒髪を持ち、まるで人間の娘のように見えるが、その声と姿に応じた者には恐ろしい末路が待つ。
出現場所
川, 村・町
関連都道府県
青森県
能力・行動
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魅惑の声
河女は橋の上で通りかかる男に声をかける。その声には強い魅了効果があり、応じた者は心を奪われる。 -
憑依と異常食欲
声に応じた男は河女に取り憑かれ、常軌を逸した大食漢になる。通常の食べ物では満足できず、異常な物まで口にするようになる。 -
幻視・隠形の術
河女の姿は、憑かれた男にしか見えず、他者には見えない。これは霊的な幻視を引き起こす能力とされる。 -
精神崩壊の誘導
河女に憑かれた男は、次第に精神の均衡を失い、狂気に陥る。自我を失い、夜な夜な川辺へと彷徨うようになる。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
低(軽傷)
直接の攻撃は行わないが、憑依による異常行動が結果的に怪我や衰弱を引き起こす場合がある。
精神的影響
高(精神崩壊・死)
憑かれた者は食欲の異常や幻覚、夜間徘徊、最終的には発狂といった深刻な精神崩壊を経験する。治療は困難。
遭遇確率
★★☆☆☆
伝承・歴史
河女は、青森県南津軽郡浪岡町(現在の青森市浪岡)に伝わる地域特有の妖怪で、特に十川の釜谷橋周辺での目撃談が多い。
姿は若く美しい女性で、夜の川辺に佇み、男に声をかけるとされている。
この伝承は口承で伝えられ、民俗学的にも「妖艶で恐ろしい女性型水妖怪」の典型とされている。
現代文化での登場
現代のメディアにはあまり登場しないが、民俗学系の書籍や郷土資料には度々取り上げられている。
怪談や地方の民話再話などで紹介されることもある。
遭遇したらどうすればいい?
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橋で女性に声をかけられても無視する
河女は声をかけることで憑依のきっかけを作るため、反応しないのが最も安全。 -
身につけた塩や護符を用意しておく
清めの塩や霊的な護符が、妖怪の影響を弱めるとされている。 -
川や橋を渡る際は一人で行動しない
河女は単独行動の男性を狙うとされており、複数人での行動が抑止力になる。 -
異常な食欲や幻覚が出たらすぐに神社へ相談
憑かれた兆候が出たら、地元の神職に相談し、祓いを受けるのが伝承上の一般的対処。