烏天狗(からすてんぐ)

烏天狗(からすてんぐ)擬人化イラスト

妖怪名

烏天狗(からすてんぐ)

主な特徴

黒い翼と嘴(くちばし)を持ち、全身が漆黒の羽毛に包まれた人型の妖怪。

天狗の中でも下位に位置するとされるが、素早く狡猾な戦法を得意とし、侮れない存在。

高い山の奥や霊山に住み、修験者の姿を真似ることもある。

出現場所

山, 神社・寺院, 森・竹林

関連都道府県

全国, 神奈川県, 京都府, 奈良県

能力・行動

  • 飛行能力
    強靭な黒い翼で風の如く山林を駆ける。通常の人間では追いつけない。

  • 幻術・擬態
    人間や他の動物に変化して、旅人を惑わせる。

  • 武術の達人
    木剣や薙刀などを用いた戦闘に長け、修験道に通じた者に試練を与える。

  • 風を操る
    強風を呼び起こし、敵を吹き飛ばすことができる。

危険度ランク

B(警戒すべき)

物理的危害

中(危険)

登山者を谷底に吹き飛ばす、木々をなぎ倒す風で襲う可能性がある。

精神的影響

中(恐怖・呪い)

幻術で精神を混乱させ、迷子や発狂に至らせる例がある。

遭遇確率

★★☆☆☆

主に霊山や修験道の修行地にて、精神が乱れた者や油断した旅人に現れると言われる。

伝承・歴史

『今昔物語集』や『天狗草紙』などに記録があり、山中に棲む異形の修行者として登場。

京都の鞍馬山では、烏天狗が源義経に武術を授けたとする伝承もある。

山岳信仰との関係が深く、修験者と烏天狗の姿が重ねられている。

現代文化での登場

  • アニメ『ぬらりひょんの孫』:黒羽丸として登場

  • ゲーム『妖怪ウォッチ』や『妖怪大戦争』にも類似の存在が登場

  • 特撮『忍者戦隊カクレンジャー』にて敵怪人として登場

遭遇したらどうすればいい?

  1. 騒がず冷静に山を下る
    感情の乱れにつけ込まれるため、冷静な行動が最重要。

  2. 修験者の道具(錫杖など)を持つ
    烏天狗は修験者を尊び、干渉しないという伝承がある。

  3. 笛を吹く
    天狗は笛の音を嫌うとも好むともされるが、音に反応しその場から離れる場合がある。