妖怪名
海難法師(かいなんほうし)
主な特徴
痩せこけた法師の姿をしており、白装束をまとい、目はうつろで虚空を見つめている。
夜の海をたらいに乗って漂いながら現れる。
どこからともなく現れ、波間に揺れながら人々を見つめるとされる。
出現場所
海, 村・町
関連都道府県
東京都
能力・行動
-
たらい漂流
海の沖から「たらい」に乗って陸へと漂着する異様な姿。霊としての存在を象徴する。 -
死の予兆
その姿を見た者は、数日以内に水難事故で命を落とすと言われる。 -
精神干渉
夢に現れ、強い不安と溺死の幻覚を与える。これにより海への恐怖心を植え付ける。 -
声なき念仏
近づくと無音のように聞こえる念仏のような波動を感じることがある。これに気づくと、霊が近づいている兆候とされる。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
中(危険)
海での事故を誘発する。水辺で突然意識を失ったり、波に引き込まれるような現象が多発。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
不安障害、幻覚、夜間の溺死体験の夢を見るようになる。
遭遇確率
★★☆☆☆
主に海辺の地域や島嶼部の伝承に限られており、夜の海辺に限って目撃例がある。
伝承・歴史
伊豆諸島を中心に語られる海の幽霊。
「かんなんぼうし」とも呼ばれ、江戸時代から伝わる口承では、嵐の夜に海で命を落とした修行僧の霊が怨念と共に彷徨うとされる。
たらいに乗って現れるのは、当時の庶民が水死者を簡易に流すための風習を反映しているという説もある。
現代文化での登場
-
一部の怪談系YouTubeチャンネルや都市伝説紹介番組で「たらい幽霊」として紹介。
-
ホラーゲームにて、海岸でイベントとして出現する「溺れ僧」としてモチーフ使用あり(非公式)。
遭遇したらどうすればいい?
-
水辺に近づかない
見たその夜は特に海や川に絶対に近づかないこと。引き込まれる危険が高い。 -
塩を撒く
古くから死霊払いには塩が有効とされており、塩を玄関や服に撒くことで結界を張れる。 -
夢で会っても返事をしない
海難法師が夢に現れ語りかけてくることがあるが、返事をしてしまうと呪いが強化されるとされる。 -
水神信仰の神社に参拝する
水の霊を鎮めるためには、水神(龍神や弁財天)への祈願が有効とされる。