妖怪名
天降女子(あもろうなぐ)
主な特徴
白い風呂敷を背負った絶世の美女。濡れたような黒髪を垂らし、妖艶な微笑を浮かべながら現れる。
晴天にもかかわらず小雨が降り始めたとき、人目を忍んで現れることがある。
出現場所
村・町, 家屋, 森・竹林
関連都道府県
鹿児島県
能力・行動
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誘惑の微笑
甘く妖艶な微笑で男性の心を惑わせる。目を合わせた者は抗うことが困難となる。 -
魂の奪取
誘惑に屈した男性や、柄杓の水を不用意に飲んだ者の魂を天上へと引き上げる。 -
霧雨の降下
出現時には必ず霧雨を伴い、空気を湿らせながら気配を忍ばせて降臨する。 -
睨み返しへの弱さ
誘惑に乗らず睨み返すと、彼女は根負けして退散するという。 -
柄杓の試練
柄杓の持ち方一つで命運が分かれる。正しい作法を知る者だけが生き延びられる。
危険度ランク
A(非常に危険)
物理的危害
中(危険)
魂を抜き取られることで昏倒や死亡に至る。直接的な物理攻撃は行わないが、その影響は致命的。
精神的影響
中(恐怖・呪い)
微笑や視線だけで心を支配される。夢に現れることもあり、次第に生気を失う者も。
遭遇確率
★★☆☆☆
霧雨の日、特に奄美地方で人里離れた場所や滝の近くでの出現が報告されている。
伝承・歴史
奄美大島に伝わる羽衣伝説の一形態で、「天降女」「天の女」「亜母礼女」とも呼ばれる。
天女が地上の男を探して降りて来るという異色の説話が存在し、その妖艶さと危険性から島民の間で恐れられていた。
現代文化での登場
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一部の民俗学研究書に登場。
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地元では「羽衣美女(はごろもまんじょ)」として伝承イベントの題材に選ばれることも。
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ゲームや漫画には未登場だが、天女型の妖怪の源流の一つとして注目されつつある。
遭遇したらどうすればいい?
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目を逸らさず睨み返すこと
誘惑に負けず、真っすぐ睨み返すことで退散させられる。 -
柄杓の水を正しく飲む
柄を支えるように持ち、掌を上に向けて飲むと魂を奪われない。 -
小雨の日に近づかない
晴れているのに雨が降る場所には近づかないこと。天降女子の降臨の兆しである。 -
白い風呂敷の女を見たら逃げる
美しいが異様な風呂敷姿の女性に近づいてはいけない。