妖怪名
獏(ばく)
主な特徴
熊の身体、象の鼻、犀の目、虎の脚、牛の尾を持つとされる。
複数の動物が混ざり合った異形ながら、どこか神聖で厳かな気品を漂わせる外見である。
出現場所
家屋
関連都道府県
全国
能力・行動
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悪夢の捕食
人間が眠っている間に見る悪夢を吸い取り、糧とする。 -
厄除けの力
悪夢だけでなく、邪気や疫病を払う象徴として崇められる。 -
金属の摂食
伝承によっては竹だけでなく、鉄や銅などの金属を主食とするとされる。
古来、中国から伝わった聖獣であり、その姿を描いた絵や「獏」の字を書いた札を枕の下に敷くことで、悪夢を吉夢に変え、あるいは消し去ると信じられてきた。
室町時代には、宝船の帆に「獏」の文字を書く風習も存在した。
危険度ランク
C(ほぼ無害)
物理的危害
なし
人間に対して攻撃を加えることはなく、むしろ益獣としての性質が強い。
精神的影響
低(気味が悪い)
悪夢による恐怖やストレスを取り除き、安眠をもたらす。ただし、良い夢まで食べてしまうという俗説もあり、その場合は幸福感を削ぐ可能性がある。
遭遇確率
★☆☆☆☆
目視することは極めて困難であり、その存在は夢の消失という現象によってのみ確認される。
伝承・歴史
中国の『山海経』などに記述がある聖獣が起源。
日本では室町時代以降に「夢を食べる」という独自の設定が定着した。
江戸時代には、枕自体に獏の彫刻を施す「獏枕」が流行し、悪夢を避けるための護符として広く普及した。
現代文化での登場
漫画『うしおととら』やゲーム『ポケットモンスター』(スリープ、ムシャーナ)、『女神転生』シリーズなど、夢を司るキャラクターとして数多くの作品に登場している。
遭遇したらどうすればいい?
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呪文の詠唱
悪夢を見た直後に「この夢、獏にあげます」と三度唱える。 -
獏の図画
枕元に獏の絵を飾る、または「獏」と書かれた寝具を使用する。
これらは獏を招き入れ、悪夢を献上するための儀式であり、追い払うのではなく「使役・共生」するための伝承的手段である。